エア本屋の「いか文庫」。本のいいところって、新たな視点を教えてくれること。
店主(以下 店):バイトもりもり、おつかれさま~。お店で担当してる文庫は、どんな感じですか?
バイトもりもり(以下 もり):気になるものが多くて、読むのが追いつかないくらいです。
店:いいね~。おすすめは?
もり:まずは、杉浦日向子さんの『杉浦日向子ベスト・エッセイ』ですね!
店:杉浦さん!北斎の娘を主人公にした漫画が好き!
もり:私は初めて読んだのですが、杉浦さんって、漫画家であるだけじゃなくて、江戸風俗の専門家でもあるんですね。文章が男前な江戸っ子口調だったり、すごくくだけた感じでびっくりしました。
店:江戸からタイムスリップして来た人?ってくらいだよね。
もり:本当に!この本でとくに印象的だったのは、江戸の女性のかっこよさです。上方では、やわらかで華やかさがあることが、よしとされていた一方で、江戸では、しゃきしゃきとして男勝りという意味で「小股の切れ上がった」という褒め方をしていたとか。
店:それは知らなかった!
もり:あと、「粋」という独特の美学が生まれた話も面白かった。時代が違えど、身近で共感できる人々の姿や魅力が見えてきて楽しかったです。
店:江戸人、かっこいいねぇ。もう一冊、手に持ってるのは?
もり:建築家・藤森照信さんと絵師・山口晃さんの『日本建築集中講義』です。
店:山口さんも好き!でも、画家なのに建築の話なの?
もり:はい。お二人が日本各地の名建築を見学して、その魅力を語り合う本です。山口さんが、見学の様子や藤森さんの解説を漫画にしているのですが、ちょっとおとぼけ感がある絵で楽しくて。写真だけではわからない細かい部分も描かれていて、すごく想像しやすくなっているんです。
店:もうすでに面白そう!どんな建築物が登場するの?
もり:法隆寺、修学院離宮、待庵という茶室、聴竹居という住宅建築などが登場します。歴史の授業で習ってきた知識に、意味とか個性、どんな流れでそうなったかなどが加わっていくので楽しくて! もっと知りたい、直接見に行って確かめたい、ってなります。
店:もりもりが個人的に気になった建築物はあった?
もり:鳥取にある「投入堂」です。標高900メートルの山の断崖絶壁に建つお寺で、岩をよじ登ったり、たどり着くだけでも大変なんだそう…。前に鳥取に住んでいたときには行けなかったので、改めて実物を見たくなりました。
店:歴史も建築も、学校で勉強する内容と違う視点で見るのって面白いよね。江戸人になってみたり、建物を細部まで見てみたり。
もり:本からさらに、新しい見方を楽しみたいですね!