『思えば遠くに オブスクラ』 著:靴下ぬぎ子 880円 秋田書店/『一晩置いたカレーはなぜおいしいのか』 著:稲垣栄洋 605円 新潮文庫

食の視点を変えてみなイカ?《いか文庫 本日は閉店なり》


エア本屋の「いか文庫」。
おなじみのあの料理にも、じつはこんな物語が。

 

店主(以下 店):おつかれさま〜。今日、お店のSNSに面白そうな文庫アップしてたね。

バイトもりもり(以下 も):はい!タイトルと表紙で一目ぼれした『一晩置いたカレーはなぜおいしいのか』という本が、すごく面白かったので紹介しました。

店:タイトルからもう気になるもんね。どんな本なの?

も:農学博士が、カレーライスやお好み焼き、フルーツパフェといった身近なメニューに使われている食材の秘密や、調理のときに気をつけることなどを、動物や植物が生きていたときの姿をヒントに教えてくれる本なんです。

店:ん?生きていたときの姿?

も:カレーの玉ねぎって、炒めると甘みが出ますよね?玉ねぎの食用部分は植物の球根にあたる部分で、成長のエネルギー源となる糖分が蓄えられているから、加熱することで辛味が失われ本来の甘みが出て、それがカレーのコクを深めてくれるんだそうです。

店:球根!?蓄えられてるものが作用してるなんて科学的!

も:ほかにも、ごはんとみそ汁って和食の定番ですが、栄養学的にも相性がばっちりな組み合わせなんだそうで。お米は炭水化物を豊富に含み、みその原料の大豆は「畑の肉」といわれるほどタンパク質や脂質を含んでいる。だからこの2つだけで、三大栄養素がバランスよく揃うんです。

店:なるほど!だから体も喜んでるな~って思えるのか。食といえば、『思えば遠くにオブスクラ』ってマンガがよかったよ。家が火事にあって行き先を探していたカメラマンが、唐突に思いついてドイツに移住するところから始まるんだけどね。

も:移住の話がメインなのかなと思ってたけど、食の話も?

店:たくさん出てくるよ。土地のものはもちろん、日本の味をどうにか再現してみたり、異国での食生活を疑似体験してる感じ。あちらには「偽キャビア」っていうものが売られているそうで、それとチーズを挟んだサーモンサンドが出てきたときは、食べたこともないのに生唾のんだよ(笑)。

も:そんなものがあるんですね!

店:あと、恋しくなってお店で食べたラーメンが、あちらのマナー上すすれなくて満足できなかったからって、パスタにひと手間加えて自家製ラーメンをつくったりも。

も:一つひとつがすごい気になるメニューばっかり。読んでみたいし食べてみたい!

店:文化の違いを感じつつ、やっぱり食べるっていいなー!って思える物語です。

も:身近な食事のことを知り直すのも、異国の食事を新たに知るのも、どちらも楽しいですね!

店:うん、私も同じこと思ってたところ。さーて、夕飯なに食べよっかなー?(ワクワク)






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