エア本屋の「いか文庫」。
今年ではじめて10年目の店主、まだまだ走り続けます!
バイトいも(以下 いも):店主おつかれさま~。
店主(以下 店):おつかれ~。バイトいも、ロンドン行く前に茶道習ってたよね。帰国したし、また始めるの?
いも:うん、この『日日是好日』を読んで、またやるぞと心が決まったところ!
店:お!
いも:著者の森下さんが学生のときに親のすすめで始めた、茶道のお稽古についての実話なんだけどね。ページをめくるたび、「わかる!」だらけでうれしくなっちゃった。
店:たとえば、どんなところ?
いも:茶道って細かい作法がたくさんあるんだけど、なんでそんなことするの?ってことも多いの。でも先生からは「そういうものだから」としか返されない。
店:それはちょっと困るね。
いも:お作法もまともに覚えられないうちに、季節にあわせて道具や掛け軸も替わるから、ちんぷんかんぷんになるし、身についた感がなく注意されてばかり…。だからお稽古に行く足が重くなる。
店:え?楽しくないの?
いも:いざお稽古に行って、お茶ときれいなお菓子をいただくと、たちまち「来てよかった~」となるの。だから楽しい(笑)。
店:楽しいんかい!
いも:それに森下さんが言うには、ずーっと初心者のような気持ちでも、あるときハッと、ほんの少しわかる瞬間に出合えるそうだから、私もそう思えるまでもう一度がんばりたい!
店:生涯続けられて、発見も続く趣味っていいね。
いも:ね。あともう一冊、最近一気に読み終えた本があるんだ。主人公が、母親の死をきっかけに人生を見つめ直すお話でね。40歳を過ぎてそれまでのキャリアを捨てて、パンとスープだけのお店を始めるんだ。
店:『かもめ食堂』の著者・群さんの、ドラマにもなった本だ!
いも:そう!この年で新しいことを始めるって、すごく勇気がいるけど、自分のこだわりをしっかり持っていれば、できないことはないのかも…と思わせてくれたよ。イギリスでは「Ageisjust anumber」ってよく言われていたし、専門学校は50代の生徒がいちばん多いって聞いたこともある。
店:私もバイトいもも40代突入組だし、そのメッセージ、すごーく心にしみるね。私も、34歳のときに「いか文庫」を始めて、今年10年目。まだまだ楽しんでるからな~。
いも:楽しめてるって大事!素敵なことだよー!
店:だよね!じゃあこのまま、ロンドンの本屋さんで見かけた、腰の曲がったおばあちゃん書店員目指しちゃおう!
いも:いいね!私も茶道を再開しておばあちゃんになるまでお勉強するぞ!