《渋谷》東京ミニシアターダイアリー vol.2

2020.12.02 カルチャー, 映画/ドラマ, おでかけ

メトロポリターナ編集部が、東京メトロ沿線で見つけたいろいろなことを気ままにご紹介。映画好きの関根が、ミニシアターの魅力をお届けする「東京ミニシアターダイアリー」。第2回は、映画体験の楽しさを倍増させる秘密が隠された、渋谷の映画館をご紹介します。

渋谷／シネクイント

渋谷パルコ内のミニシアターとして、1999年に誕生した「シネクイント」。ビルの建て替え工事に伴い2016年に一時閉館後、2018年に再開。今年、復活2周年を迎えたこちらの魅力のひとつが、「渋谷でいちばん、人と楽しさを共感できる映画館」を目指したという、さまざまな取り組みです。私も足しげく通っていますが、いつ行ってもワクワクさせてくれる映画館なのです。そんな「シネクイント」の取り組みについて、パルコ映画事業担当の堤静夫さんと赤澤未緒さんにお話を伺いました。

シネクイントでは、監督や役者によるトークショーなどを含むイベント上映を数多く行っています。「自宅で気軽に映画を見られるいまだからこそ、劇場で映画を楽しむことの意味を感じていただけるように、イベント上映を積極的に開催しています」と話す赤澤さん。私も「シネクイント」で行われたイベント上映を体験しましたが、観賞後も続く余韻は、これ以上ない珠玉の映画体験です。劇場でしか味わえない心に残る映画体験は、そうした思いのもとに成り立っていたのですね。

1スクリーンの2階席に導入されているのが、渋谷にある映画館のなかで唯一というペアシート。ほかの映画館との差別化を図るために、カップルで映画を楽しんでもらおうと取り入れたのだそうです。2人で映画を楽しみ、その感想を語り合う。そうすることで、映画の感動やおもしろさは、きっと何倍にもなるはずです。「シネクイント」は、新型コロナウイルス感染防止に向けた安心・安全への取り組みも徹底しています。ペアシートで、じっくりと映画の世界に浸ってみてください。

名作からインディペンデント作品まで幅広く上映しているシネクイント。上映作品について堤さんは、「作品のおもしろさを共感しあえるよう、複雑で難しい作品よりも、気軽に見て楽しめるような作品を上映することを心がけています」と話してくれました。共感の輪を広げる秘密は、上映作品のセレクトにも隠されていたのです。余談ですが、復活2周年の記念グッズに描かれているイラストは、実はあの名作がモチーフ…！映画を楽しんだあとに、ぜひチェックしてみてください。