《浅草》こだわりのどぶろく。その美味しさのヒミツ(後編)

グルメ, おでかけ

東京メトロ沿線で見つけたことを、編集部が気ままに紹介する「気ままにメトロポリターナ」。前編に続いて、今回は、どぶろくづくりの「酒母(しゅぼ)づくり」と「仕込み」をクローズアップ。そうした一つひとつの工程を経て、あの美味しさが生まれているのです。
 

浅草/木花之醸造所

5月号「浅草でつくられる上品でまろやかな『どぶろく』」で登場した「木花之醸造所(このはなのじょうぞうじょ)」。こちらでつくられているのが、「ハナグモリ」をはじめとする、さまざまなどぶろくです。取材当時に醸造長を務めていた岡住修兵さんに話を聞いて印象的だったのが、「いいものをつくるために、変数を増やす」という、どぶろくづくりの信念。今回ご紹介する「酒母づくり」「仕込み」の工程でも、そんな岡住さんのこだわりが詰まっていました。

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醸造所内に並ぶ「ハナグモリ」

前編では麹づくりまでの工程を紹介しました。続いては、その麹と水と蒸した米で甘酒をつくり、そこに酵母、黄麹、焼酎用白麹を入れて酒母をつくります。木花之醸造所の酒づくりにおいては、タンクが小さいため酒母を立てなくとも発酵はできるのだとか。しかし木花之醸造所では、あえて酒母づくりをすることで、酒母の出来や米の溶け具合を確認し、仕込みで使う材料の配合比率を変えるといった調整をしているのだといいます。なるほど…。酒母づくりの途中経過をつぶさに観察することで、新たな工夫の余地が生まれているのですね。

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仕込みの状態を確認している様子

酒母づくりの次は仕込みです。木花之醸造所で行っているのは、はじめに蒸した米、水、麹、酒母を入れ、それから3回にわたって蒸した米、水、麹を加え、少しずつ量を増やしていく「三段仕込み」。1回でもできる仕込みを3回に分けることで、酵母の湧き方や香りの変化などを見極め、次の仕込みの温度を変えたりしているそうです。このように、あえて工程を増やしてどぶろくをつくる理由について、岡住さんが教えてくれました。

「シンプルな工程でも酒はつくれるけれど、いいものをつくるには、変数を増やして、細かな工夫を重ねることが大切だと考えています。どぶろくは、まだまだ飲んだことのない人が多いお酒です。ひとりでも多くの人に美味しいと思ってもらえるどぶろくを目指して、あらゆる工程でよりよい方法を探りながら酒づくりをしています」。酒づくりはとても複雑で、正解がない世界だとも話してくれた岡住さん。さらなる高みを目指し、どぶろくと向きあい続けています。

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「ハナグモリ」や「ハナグモリ〜THE酸」が並ぶ、木花之醸造所のオンラインストア

木花之醸造所のどぶろくは、公式オンラインストアでも購入することができます。どぶろくに加えて、お酒にあう肴やオリジナルグッズなども販売しているので、気になる人は覗いてみてくださいね。じつは、取材時にどぶろくをはじめて飲んだ私。日本酒のような味を想像していましたが、「ハナグモリ」のまろやかな口あたりと上品な甘さに驚きました。1杯をじっくりと嗜むもよし、おつまみとあわせて楽しむもよし。おうちのみがワンランクアップするどぶろくを、ぜひご賞味あれ!


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KONOHANANO BREWERY

台東区駒形2-2-5 小宮ビル B1F
[営]13:00〜22:30(L.O.22:00)
[休]不定休
※営業時間に変動あり。最新情報はHPにて確認を
https://konohanano-brewery.com


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