〖おうちでメトロポリターナ〗森美術館のMAMデジタルでアートを楽しむ。

アート

これまでに『メトロポリターナ』本誌で紹介したスポットのなかから、おうち時間を充実させるアイデアをご紹介。森美術館のWEBサイトで展開しているオンラインミュージアムでは、期間限定でアート体験が楽しめる!

 

六本木/森美術館

現代アートを中心に、さまざまな展覧会を企画している「森美術館」。残念ながら現在は休館中だけれど、公式WEBサイトでは4月からオンラインミュージアム「MAMデジタル」が開館している。「こんな時にも、クリエイティブであり続けたい」という想いから開館したオンラインミュージアム。休館のために会期途中で終了してしまった展覧会や、公開延期になったプログラムの映像作品などをオンラインで限定公開している。また、SNSではこのオンラインミュージアムのためのオリジナル企画も公開中。この時期らしいユニークなコンテンツを展開している。

アーティスト・クックブック by MAM

杉本博司「透ける白(蕪の酢の物)」、塩谷千春「ベルリンで作る大福餅」

SNSで展開している「アーティスト・クックブック by MAM」。ここでは、世界各地のアーティストから寄せられたレシピを紹介している。たとえば、杉本博司は「透ける白(蕪の酢の物)」を、塩谷千春は「ベルリンで作る大福餅」をといったふうにアーティスト自身がつくった料理の写真をInstagramで公開。その料理にまつわるストーリーとレシピは、Facebookで見ることができる。レシピはもちろん実用的。写真も美味しそうに撮られている。けれどそれがアーティスト自らの手によるものだと思うと、とたんにコンセプチュアルなアート作品に見えてくるから不思議だ。この企画では、現在(6月24日時点)17名のアーティストによるレシピを公開中。見るだけでも楽しめるが、自分でつくってみて、その料理に秘められたアーティストの真意を探ってみるのもおもしろそう。

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ARTISTS COOKBOOK BY MAM (English Follows Japanese) レシピ#05 杉本博司 「透ける白(蕪の酢の物)」と「焼き空豆」 現在地:東京 現代美術、建築、古美術から料理まで、領域を超えて才能を発揮。料理だけでなく器もあわせて蘊蓄(うんちく)をご堪能ください。何事にもコンセプトやストーリーが大事です。 • 料理にまつわるストーリー 今年私は料理本「趣味と芸術」(ハースト婦人画報社)を出版しました。その中から二品紹介します。 ・レシピ ①「透ける白(蕪の酢の物)」 2ミリ程に薄切りにした蕪を熱湯で1分湯がき、すぐ冷水に浸す。別に和風だし2、酢1、グラニュー糖と塩少々を煮立て、水切りした蕪にかけまわして自然に冷めるまで待つ。白い磁器に盛り付けて、白が透き通るのを見ながら口に運ぶ、するとあなたの眼も透き通る。 ②「焼き空豆」 悠久の昔、空豆の木に雷が落ちた。恐る恐る近づいてみると焼け焦げた空豆があった。鞘を開けて食べてみると素晴らしく美味かった。これが人類の火の発見と使用の始まりだった。これが私の人類進化の珍説です。試してください、ただ焼くだけです。 画像1,2(レシピ):高嶋克郎 画像3(アーティスト):小野祐次 RECIPE #05 Hiroshi Sugimoto - “Transparent White (Turnip à la Vinaigrette)” + “Lightning Beans” Current Location: Tokyo From contemporary art, architecture, antiquity to cooking, Sugimoto exerts his talent across a range of fields. Enjoy his stock of knowledge about not only cuisines but tableware as well. Concepts and stories are essential for all things. • Story behind the Dish I've just published a cookbook this year entitled Taste of Art (Publisher: Hearst Fujingaho Co., Ltd.), from which I’d introduce two dishes. • Directions 1) “Transparent White (Turnip à la Vinaigrette)” Cut a turnip into thin slices (about 2 mm wide each), parboil the slices for about one minute, and then quickly soak them in cold water. Separately, boil 2 Japanese dashi stock to 1 vinegar, and add a little granulated sugar and salt. Drizzle it around on the turnip slices (after draining water) and wait until its entirety cools down naturally. Serve on a white porcelain piece and bring the turnip to your mouth while seeing the transparent white – and voilà, your eyes will also become transparent. 2) “Lightning Beans” Once upon a time, lightning struck a broad bean tree. Approaching cautiously, there one found scorched broad beans. With the pod opened up, they were mesmerizingly delicious. This marked the discovery of fire and the beginning of its use by humans – which is all a strange theory of mine with regards to human evolution. You should try this nonetheless. Just grill them, plain and simple. Photo1,2(Recipe): Takashima Katsuo  photo3(Artist): Ono Yuji #ArtistsCookbookByMAM #MoriArtMuseum #HiroshiSugimoto #cookbook #杉本博司

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「MAMスクリーン」オンライン特別上映

3_MAMS013_Mounira_01_low.jpgムニーラ・アル・ソルフ 《ラワーンの歌》
2006年 ビデオ 7分19秒

森美術館の映像作品を紹介するプログラム「MAMスクリーン」。本来なら館内でしか見ることができないこのプログラムの作品も、いまなら期間限定でオンラインで見ることができる。開催延期となっている「MAMスクリーン013:ムニーラ・アル・ソルフ」の先行上映や、いままでに公開された作品のアンコール上映など、現在(6月24日時点)4名アーティストの作品を配信中。見る場所によって、印象が変わることもアートのおもしろいところ。家での視聴体験は、館内で見る感覚とはまたひと味違うはずだ。

4_MAMS013_Mounira_02_As If_low.jpgムニーラ・アル・ソルフ 《まるで私がそこにふさわしくないかのように》
2006年 ビデオ 12分8秒
Courtesy: Sfeir-Semler Gallery, Beirut/Hamburg

未来と芸術展

5_FaA_3D_low.png「未来と芸術展」3Dウォークスルー イメージ
 

休館により、会期途中で終了となってしまった「未来と芸術展」。その展示会場を撮影し、3D化したコンテンツも特別公開している。Googleのストリートビューを操作するように館内を探索。展示作品を鑑賞するだけではなく、キャプションをクリックすれば南條前館長による解説動画も見ることができる。

「MAMデジタル」には、いままでのフィジカルなアート体験とは違った、オンラインならではの楽しみ方がある。「こんなときだからこそ、想像力を高め、磨きをかけよう」という、片岡館長のメッセージのとおり、フィジカル的に不自由なときだからこそ、想像力は自由に大きく広げることができるはずだ。

今回ご紹介したオンライン・コンテンツは、「STARS展:現代美術のスターたち―日本から世界へ」の開催に伴い、一部を除いて7月31日(金)をもって終了してしまうので、まだ見ていない方は、いますぐ森美術館のウェブサイトをチェックしてみよう。

徐々に美術館の再開がスタートしていくが、MAMデジタルは、8月以降もさまざまなオンラインプログラムの展開をしていく予定だ。

※掲載した画像は、すべて森美術館よりご提供いただきました


MORI ART MUSEUM

港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー 53F
[TEL]03-5777-8600(受付時間 8:00~22:00)
[営]現在休館中。開館情報は、公式ウェブサイトにてご確認ください。

https://www.mori.art.museum


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