《フレナバ》という名は、「触れなば落ちん風情」ということわざから。思わず触れたくなる、触れればすぐさま魅力に取りつかれるという意味が込められている。

酒造り職人の手は、なぜ美しいのか《オギノマ》


 金沢の酒蔵といえば福光屋。1625年創業のこの老舗が、オーガニックコスメをつくりました。なぜ酒蔵がコスメを…? 14代目にお話をうかがいました。

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小木:今月号のゲストは、金沢の酒蔵、福光屋14代目の福光太一郎さんです! 福光屋さんの創業は1625年。江戸時代から続く酒蔵ですが、なんとこのたび僕らと一緒に《FRENAVA(フレナバ)》というスキンケアブランドをつくりました。なぜ酒蔵がコスメをつくったのか、今日はその経緯について改めてお話しさせてください。

福光:きっかけとなったのは、酒づくりをする職人たちの「手」です。昔の職人は、酒づくりのない夏は、漁師や農家をしていました。つまり日焼けで真っ黒。それが酒づくりをしながら一冬越えると、手肌が美しくなっていたのです。

小木:日本酒づくりに肌の美しさを引き出すヒントがあると気づいたんですね。

福光:はい。私たちは、ラボももっています。そこで、研究を重ねた結果、鍵は酒づくりに欠かせない「麹菌」や「酵母」、「乳酸菌」などの微生物や米にあることがわかりました。そういった米発酵から得た知見をいかして誕生したのが《FRENAVA》です。

小木:《FRENAVA》の成分である有機コメ発酵液や日本酒酵母エキスは、400年近い歴史を持つ福光屋さんだけの特別なものですよね。おいしい糠床が、一朝一夕にはつくれないのと一緒(笑)。酒蔵が長い年月をかけて育んできた菌は、唯一無二の貴重なものだと思います。

福光:私もそう思います。ラボでは、さまざまな乳酸菌や酵母をストックしていて、それを酒づくり以外の食品やコスメなどの製品開発にもいかしているんです。

小木:今回の《FRENAVA》には、クロモジから抽出した精油とエキスも配合していますよね。しかも日本三霊山である白山で採取した野生のもの。菓子楊枝でお馴染みのクロモジですが、今回使っているものはなかなか手に入りません。

福光:クロモジは、精油と蒸留水にしました。蒸留に使っている水も、白山麓の天然水です。いまでこそ、この植物に抗菌作用があるということがわかっていますが、昔の人ってすごいですよね。科学的な分析ができない時代から、ちゃんとその植物の特性をわかっている。

小木:本当にそうですよね。先人の知恵には驚かされるばかり。僕は、福光屋さんの魅力もそういった先人たちの知恵の積み重ねを、レガシーとして持っているところにあると思うんです。そして、それをちゃんと研究して、いままでになかったようなものをつくりだそうとチャレンジしている。その挑戦する姿勢は、ベンチャー企業のようでもありますよね。

福光:うちは、ずっと昔から業界の異端児的なところがあるんです(笑)。世の酒蔵が日本酒の大大量生産に舵を切った1950年代からの高度経済成長期に長期熟成の研究を始めたり、2001年にはアルコール添加をやめて、全量純米化をしました。いまでは有機米を使った酒づくりもしています。

小木:業界に先駆けて、挑戦をし続ける。変化を恐れない。そのスピリットがあるからこそ、長く続き、結果的に「老舗」になれるんでしょうね。10年後には、バイオマス企業として世界で有名になってたりして(笑)。

福光:かもしれませんね(笑)。ちなみに、50年間熟成したとっておきの古酒もあるので、今度乾杯しましょう!

小木:それは楽しみ! 福光さん、これからもよろしくお願いします!

 

《THIS MONTH GUEST》

福光屋 14代目
福光太一郎さん

1625年創業の金沢にある酒蔵「福光屋」14代目。大学卒業後、ニューヨークへ留学し、帰国後は不動産開発会社、アパレルメーカーを経て、2010年に福光屋へ入社。現在は専務取締役として、米発酵の技術をいかした新事業などを手がける。
INSTAGRAM:@taichiro_fukumitsufrenava_official


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FRENAVA natural&organic

米発酵技術によるオリジナル原料と、白山麓の恵から生まれた、《フレナバ》のスキンケアアイテム。左から、クレンジングクリーム(4180円)、ローション(4840円)、セラム(5940円)、オイル(6600円)。






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