llustration: Yu Fukagawa

笑いは魔除け《お多福美人講座》


 「笑う門には福来る」。この、「笑う」という、誰もが、いつでもどこでもできる開運法で、難局を乗り越えたり、いいご縁を授かる方も多いと思います。福々しい笑顔は、本人だけでなく、それを見ている周りの人まで幸せにしますよね。

 私が尊敬する、ある料亭のお母さんは、コロコロとよく笑い、その笑顔で福を呼ぶのはもちろん、その笑い声が強烈な魔除けとして作用し、難を転じていたように思います。その笑い声を聞きたくて、政財界の重鎮が足繁く通い、なんとか笑ってもらおうと小学生のように必死に話す姿がいまでも浮かんできます。実際、笑いが起こるたびに、周りの人の邪念が吹き飛び、その場が清められ、結界ができるような気がしたものです。私は、お母さんの笑いにそこまでのパワーがあった理由を、「嘘が混じっていないから」だと思っています。よく笑うお母さんではありましたが、つくり笑いや、面白くもないのにおべっかで笑うことがなく、いつも本当に、「おかしいから笑う」という感じでした。

 よく、「楽しいから笑うのではない。笑うから楽しいのだ」「つらいときこそ笑え」などと言いますよね。確かに、笑ったり口角を上げたりすることで、気持ちも上向きになることがあります。でも、がんばって笑ってみても、どうしようもなく悲しかったり、生きるのがつらいと感じるなら、無理して笑うより、休んだほうがいいのです。無理せず笑えるようになるまで、しっかり自分の心や体をいたわるのが、なにより大切だと思うのです。

「つくり笑いは人体に有害」という説を読んだことがあるのですが、確かに、心がついてこないのに無理に笑顔を続けると、心が悲鳴をあげる気がします。そんなときは、自然に笑えるような環境に変えるのが先決。そうして出てくる心からの笑いこそ、魔除けのパワーがあるはずです。

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