「どうしても演じたい」という願いが叶った
いま、ひときわ存在感を放つ歌舞伎俳優・片岡愛之助。池波正太郎のベストセラー小説を新たに実写化した映画『仕掛人・藤枝梅安』では、主人公の相棒役・彦次郎を演じている。本作は、今年2月に公開となった第一作に続き、第二作が4月7日に公開を迎えたばかり。愛之助は、オファーを受けたときのことを振り返る。
「すでにスケジュールが詰まっていたのですが、『どうしても演じたい』と思い、なんとか調整して実現することができました。撮影期間は約3カ月でしたが、こんなに一つの映像作品にのめり込めたのは初めてではないかというくらい、あっという間のひとときでした」
藤枝梅安(豊川悦司)は表向きは鍼医者だが、裏の顔は鍼を武器に法で裁けぬ悪人を葬る仕掛人だ。相棒の彦次郎も楊枝職人をしながら、吹き矢を武器に悪を裁く。二人は京に向かう道中で、彦次郎の妻子の仇を目撃する。一方、梅安のもとには、意外な人物から彦次郎の仇である男を殺してほしいと依頼が入る。彦次郎を演じる心境とは?
「吹き矢が武器として映るよう、ひと吹きで畳に突き刺さるように練習をし、毒矢が人に命中し絶命まで7秒など、細かい設定までこだわり役づくりをして撮影に挑みました。梅安と彦次郎が他愛のない会話をする食事シーンは、二人の心情を感じさせる部分でもあり、印象に残っています。原作そのもののような梅安を演じる豊川さんの隣で、自然に彦次郎になることができました」
日頃、歌舞伎の舞台に立つ傍ら、現代劇から時代劇まで多くの映像作品に出演をしている愛之助。本作ではどんな発見があったのだろうか。
「私の役者人生の中でも、たくさんの引き出しを与えてくれた作品といえます。人間の心の芯に触れる物語で、さまざまな世代に楽しんでいただけると思います。時代劇のオールスター戦ともいえる豪華なキャストにもご注目ください」
かたおか あいのすけ
1972年3月4日、大阪府生まれ。歌舞伎俳優。1981年に、十三代目片岡仁左衛門の部屋子となる。その後、片岡千代丸を名のり初舞台。1992年に二代目片岡秀太郎の養子となり、六代目として片岡愛之助を襲名。ドラマ『半沢直樹』シリーズ、大河ドラマ『鎌倉殿の13人』などに出演。今年も『大奥』(NHK)、『警視庁アウトサイダー』(テレビ朝日)と話題作への出演が続いている。

© 「仕掛人・藤枝梅安」時代劇パートナーズ42社
映画『仕掛人・藤枝梅安2』
全国公開中
監督:河毛俊作
出演:豊川悦司、片岡愛之助、菅野美穂、小野了、高畑淳子、小林薫、一ノ瀬颯、椎名桔平、佐藤浩市ほか
https://baian-movie.com