photo: Keiko Ichihara styling: Hiromi Abe hair & make-up: Rika Sagawa text: Eri Watanabe (EATer)

井上音生《プロフェッショナルの肖像「PRO-FILE」》


魔法にかけられるような舞台

 2017年初演、2018年に再演されたミュージカル『魔女の宅急便』が、今月再々演を迎える。この舞台で、主人公のキキを演じるのが、若手女優の井上音生。13歳の少女キキは、魔女修業のため、相棒の黒猫ジジとともに知らない町へ。ところが、その新たな環境にはさまざまな壁が立ちはだかる。少女として、魔女として、少しずつ成長を遂げていく物語だ。

 現在、高校1年生の井上。本作はミュージカル初挑戦となる。小さい頃から舞台やミュージカルが大好きだったという彼女に、この舞台への意気込みを聞いた。

 「2018年の再演で、キキが空を飛ぶシーンを見たときは、本当に心がドキドキしました。いつかミュージカルに挑戦してみたいと思っていたので、今回キキ役を演じられることが夢のようですし、舞台から眺める景色を心から楽しみにしています」

 ワイヤーアクションもあるこの役のために、日々体力づくりにも励んでいるという。キキになりきるために、さらに彼女が取り組んでいることを聞いた。

 「ミュージカルは、ひとりごとや心の声まで、セリフを歌にのせていきます。でも、歌だけに集中してしまうと、気持ちがついてこないんです。ボイストレーニングに加え、歌詞を発声して、体で覚えながら、練習しています。私が演じるキキらしさを、楽しんでもらいたいですね」

 最後に、読者へのメッセージを。

 「誰もがキキの旅立ち、町での出会いや葛藤に共感できると思います。舞台を見て、キキが体験したちょっとした楽しみや驚きを、一緒に感じてもらえたらと思います。かつて私がこのミュージカルを見て魔法にかかったように、今度は私が演じるキキで、舞台を見るみなさんに魔法をかけられたらな、と思います。力いっぱい歌うので、ぜひ歌にも注目してください」

 

いのうえ ねお

2004年8月18日、愛媛県生まれ。2016年、第8回「東宝シンデレラ」オーディション審査員特別賞と集英社賞(りぼん賞)をダブル受賞。2018年、映画『嘘を愛する女』で女優としてデビュー。2019年は舞台『魍魎の匣』、2020年はWOWOWプライム『連続ドラマW夜がどれほど暗くても』などに出演。


metro217_PRO-FILE_01.png

ミュージカル『魔女の宅急便』

会期:3月25日(木)~28日(日)
会場:新国立劇場中
劇場出演:井上音生、那須雄登(美少年/ジャニーズJr.)、生田智子、横山だいすけ、藤原一裕(ライセンス)/白羽ゆりほか
3月13日(土)チケット発売
名古屋・大阪公演あり
http://www.musical-majotaku.jp/


LATEST POSTS