役者がリスペクトしあって生まれた、大切な作品
テレビドラマ『バイプレイヤーズ』シリーズを手がける、若手実力派監督・松居大悟。彼の最新作となる映画『くれなずめ』は、実体験をもとに生まれた作品であるという。高校時代につるんでいた帰宅部仲間6人がアラサーを迎え、友人の結婚式で久々に再会するところから物語が始まる。二次会までの“狭間”で、懐かしいあの頃に思いを馳せるが、物語は思いもよらぬ展開を見せていく。
本作で主人公の吉尾役を演じるのは、俳優の成田凌。まずは、その人物像について聞いた。
「吉尾は、学生時代を振り返っても、しょうもないことばかりの男です。僕も昔からの仲間とはふざけあってきたし、その頃のことを振り返ると、笑ってしまうほどくだらない話ばかり(笑)。だから、吉尾ってこんな男なのかなとイメージして演じることができました」
慣れ親しんだ友人とのかけ合いが、リアルに描かれている本作。製作現場では、成田自らが共演者に意識的に声をかけていったという。
「クランクイン前から、共演者とダンスの練習がありました。少しでも心の距離が近くなればと、練習が終わると僕から声をかけて集まっていました。撮影では長回しも多くて、役者が一歩でもズレると成立しない場面もありましたが、全員が互いにリスペクトしあうことで乗りこえられました」
最後に、成田にとってこの作品がどんなものになったのかを聞いてみた。
「毎日が楽しい現場で、僕にとって大切な作品が、またひとつ増えました。ただ笑えるだけではなくて、なにげない日常の愛おしさとか、心にジーンとくるものがギュッと詰まっていると思います。この作品を見て、思い出が蘇ったり、これから先のことを考えるきっかけになればうれしいです」
劇中では、豪華な出演者が予想外の展開で登場するところも見どころのひとつだ。そんなシーンにも、ぜひ注目してほしい。
なりた りょう
1993年11月22日、埼玉県生まれ。2014年にドラマ『FLASHBACK』で俳優としてデビュー。NHK連続テレビ小説『おちょやん』天海一平役で出演中のほか、現在公開中の映画に『まともじゃないのは君も一緒』や『ホムンクルス』など。

『くれなずめ』
監督・脚本:松居大悟
出演:成田凌若葉竜也/浜野謙太/藤原季節/目次立樹/高良健吾 ほか
https://kurenazume.com
※公開情報は公式サイトにてご確認ください