劇場から「明日を生きる力」を届けたい
あの“こわもて”のギャングが帰ってきた。1994年公開の傑作コメディ映画をミュージカル化した『ブロードウェイと銃弾』が、日比谷・日生劇場で3年ぶりに再演されている。ギャングのチーチを再び演じるのは、『NiNE』の好演も記憶に新しい俳優の城田優。コロナ禍のいま、「必要なのは笑い。座席に座ったら、その時間だけはすべてを忘れて楽しんでほしい」と願う。
舞台は、1920年代のニューヨーク。劇作家のデビッドは、ブロードウェイで自身の戯曲が上演されることになり大喜び。しかし、出資者となったギャングの親玉は、ろくに演技もできない愛人を主演にするよう要求。部下のチーチを監視役として送り込んでくる。はたしてデビッドの舞台はどうなるのか。チーチの意外な才能も発揮され、物語は予想もつかない展開に。
デビッド役には、これが初のミュージカル出演となるHey!Say!JUMPの髙木雄也。「すごく初々しくて、質問してくれるのもかわいい。のびのびとやってほしい」と、城田は優しく見守る。
自身は前回のチーチ役で、菊田一夫演劇賞を受賞した。再演ということもあり、基本的な動きの7〜8割は頭に入っていたという。当時つくり上げたチーチの感情や思いもよみがえったが、「デビッド役も代わるし、前回に引っ張られることなく新鮮に演じたい」と気持ちを新たにする。
1年以上続くコロナ禍で、誰もが不自由な生活を強いられている。城田流のコロナ禍を生き抜くコツは、「思考をポジティブに変えていくこと」だそうだ。やりたいことができず苦しい思いをしてきた人たちを「これだけの試練を乗り越えることができれば、この先なにがあっても大丈夫。ぼくの言葉を信じて」と勇気づける。
「劇場という空間で、ぼくらができることを一生懸命やり、明日を生きる力を届ける」。”“こわもて”の素顔は、舞台を愛する熱い俳優だった。
しろた ゆう
1985年12月26日、東京都生まれ。2003年に俳優デビュー。19年のミュージカル『ファントム~もうひとつのオペラ座の怪人~』では、主演のほか演出を担い話題に。今年6月には米倉涼子との初舞台共演&共同プロデュースで贈るエンターテインメントショー『SHOWTIME』、11月には山崎育三郎と尾上松也のユニット「IMY」のオリジナル舞台の上演を控えている。

ミュージカル『ブロードウェイと銃弾』
会期:5月30日(日)まで
会場:日生劇場
出演:城田優 髙木雄也ほか(兵庫、富山、群馬公演あり)
東宝テレザーブ
TEL : 03-3201-7777
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