現代美術の有望な中堅アーティストを対象に、海外展開など飛躍を後押しする新たな賞「Tokyo Contemporary Art Award(TCAA)」の授賞式が4月21日(日)、東京都現代美術館で開かれ、第1回受賞者の風間サチコさん、下道基行さんが今後の意気込みなどを語りました。
TCAAは東京都と、アーティストの育成などを行う「トーキョーアーツアンドスペース」が2018年に創設。第1回は136人の応募者から選ばれた候補者のうち、スタジオ訪問や面接など”直接対話”の審査で2人の受賞を決定しました。受賞者は海外制作活動の支援や、都現代美術館での成果・受賞展など継続的な支援が受けられます。
漫画風の木版画を中心に制作する風間さんは式で、「賞の理念と意義が世界に広く伝わるよう努力し、(展覧会で)成果を披露したい」と表情を引き締めました。「旅」をベースにした造形やビデオ作品を発表している下道さんは、「作品の販売、展示と華々しい世界に見えるが、(制作を)続けるのは大変なので、受賞と支援はうれしい」と喜びを語りました。
風間サチコ 『決闘!硫黄島(近代五種麿参上)』 木版画(パネル、和紙、油性インク)、2017 撮影:宮島径 ⓒKAZAMA Sachiko,Courtesy of MUJIN-TO Production
下道基行『漂白之碑』ガラス、ミクストメディア、2015-
選考委員を務めたジャパンソサエティー、ニューヨークギャラリー・ディレクターの神谷幸江さんは、「賞はこれまでの功績で与えられることが多いが、(TCAAは)未来への可能性を考えました。日本のアーティストの飛躍の機会になるよう願っています」と話しました。