photo: Naoki Muramatsu edit: Shiori Sekine(EATer)

LIFEのノート[東京きらり人]


この街の、ちょっといいものつくる人


【LIFEのノート】

《ライフ株式会社》 山田翔太さん(右)長山浩一さん(左)

丈夫さと品を兼ね備えた
二人三脚でつくるノート

 1946年、「文具を創り、文化を築く」を理念に掲げて創業した、ライフ株式会社。この会社でつくられている看板商品が、「ノーブルノート」だ。クラシカルなデザインの表紙には、金色に箔押しされた「LIFE」のロゴ。A4サイズで1冊1500〜1650円と、決してリーズナブルとは言えない価格帯。それでも、2007年の誕生以来100万冊以上が売れており、このノートを愛用している人が日本中にいることがわかる。その魅力を探るべく、足立区入谷の工場でライフのノートづくりを支える2人の職人に話を聞いた。

 ノーブルノートの最大の特徴は、「糸綴じ分け折り製本」と呼ばれる製本方法にある。一般的なノートは、見開きの中央をミシン糸で綴じる「中ミシン綴じ」という方法で製本する。それに対しノーブルノートは「表紙と本文」、「裏表紙と本文」それぞれを「中ミシン綴じ」し、その2つの束にクロスを巻き、製本している。そうすることで、長く使い続けても表紙や本文がミシン糸から外れにくく、最後まで快適に使えるという。この製本方法を採用している文具会社は、ライフ株式会社を含む2社のみ。なぜなら、表紙側と裏表紙側の束を分けて管理したり、ひと束ずつ手作業で縫い合わせたりと、職人による細かな調整が必要不可欠だから。つまり、とても手間がかかるのだ。

 「紙って、生き物なんです」。そう話すのは、職人の長山浩一さん。「その日の温度や湿度によって、質感が変わってしまう。だから、気候に合わせて工場内の温度と湿度を調整し、紙がうねったり膨張しないようにして、いつでも同じ質感のノートに仕上がるようにしています」。本文の紙には、「Lライティングペーパー」と呼ばれる、ライフが独自開発した用紙を採用。インクのにじみや裏抜けがしにくく、万年筆を使ってもペン先が引っかかることなく、さらりと書ける質感が特徴だ。また、方眼の印刷には薄いグレーのインクを使い、長時間ノートを使っても目が疲れにくい仕様になっている。

 紙にこだわり、製本にこだわる。使い手のことをいちばんに考えてつくられるノートは、一度使ったらやめられないという声もあるそうだ。職人の山田翔太さんは、「SNSなどで海外の反響を見たときはうれしかったです。つくり手である私からしても、このノートの値段は高い。けれど、それだけの価値がある使いやすいノートなんです。その使い心地を、ぜひ確かめていただきたいです」と話してくれた。11月23日(水・祝)から27日(日)まで、ライフは東京流通センターで行われる「文具女子博」というイベントにも出展する。実物に触れて試してみたい方は、ぜひ足を運んでみてほしい。

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出来立てのノーブルノート。

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25枚ごとに用紙を置き、そこに表紙を挟んでいく作業。山田さんと長山さんの息の合った作業により、あっという間に束が出来上がっていく。


《買えるのは、ここのお店》

千駄木駅(東京メトロ千代田線)
GOAT

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デザイナーでもある店主の串田美恵子さんが、2012年に立ち上げた文具店。東京でつくられたものを中心に、《ライフ》のノーブルノートなど、大切に使いたくなる文具を揃えている。書くこと、使うことがもっと楽しくなる、お気に入りの文具を探しに出かけてみよう。

文京区千駄木2-39-5-102
[営]金 13:00〜18:00、土・日・祝 12:00〜18:00
[休]月〜木、そのほか不定休
Twitter @stationeryGOAT


職人さんの愛情と技術がたっぷりと注がれた、まさに手作りのノートです。
ノートは大切に使いましょうね。

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《案内人》安井邦好さん

日販セグモ株式会社代表取締役。さまざまな“こだわり”を持つユーザーを対象とした「検定試験」や「イベント」などを数多く手がける。

文具女子博の詳細はこちら
https://bungujoshi.com/


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