宮川シェフがつくるブーダン・ノワールは生クリームやリンゴのピューレなども使い、クリーミーな食感 photo: Hiroyuki Takenouchi

《武蔵小山》豚の血のソーセージ「ブーダン・ノワール」を食べてビストロの本当の良さを知る マルティニーク

グルメ

 気軽にフランス料理を味わえるカジュアルな空間がビストロ。東京にも数多くあり、良い店もあれば、そうでもない店もあり、玉石混交といった状況です。
 そんな中、行く価値が大いにあるのが、都内最長のアーケードとされる武蔵小山商店街の横道に少し入った場所にある「マルティニーク」です。
 ビストロの良しあしを分けるのは当然、料理がおいしいかどうか。特にビストロは定番料理がいくつもあるので、それを食べ比べることでシェフの力量が分かります。
 定番料理として特にユニークな存在が、「ブーダン・ノワール」という黒いソーセージです。フランス人であれば誰でも知っている料理ですが、東京では多くのビストロのメニューに載っていても、オーダーする人は多くありません。
 理由はどんな料理なのか分からない、知っていてもオーダーしたがらない人が多いことがあります。というのも、原料は豚の血。誰でも「ブーダン・ノワールって何ですか?」と質問して、「豚の血のソーセージです」と説明されれば、どうしても「エッ」となってしまうはずです。
 でも、ビストロに行くと必ず食べる、そのためにお気に入りのお店に通う人たちも少なくありません。
 マルティニークの宮川和大シェフによると、「本当にフランス料理が好きか、実際に現地に住んでいたことがある」という人たちが好んで食べるようです。マルティニークは、そんな人が集まるビストロです。
 普通は豚の血を直接、「ケーシング」と呼ばれる肉を包む薄い表皮の中に入れて熱を加えます。宮川シェフは最初にタマネギやスパイス、生クリーム、リンゴのピューレなどと一緒に豚の血をムース状にし、ケーシングに入れてつくります。

maltinique_EATPIA 2.jpg

リヨン風のかりっと揚げたジャガイモと一緒に味わうのがマルティニーク流 photo:Hiroyuki Takenouchi

 なので、マルティニークの一品は柔らかくてクリーミー。ここでしか食べられないので、多くのフランス料理好きが電車を乗り継いでまでやってきます。
 宮川シェフは「ブーダン・ノワールが好きな人はフランス料理が本当に好きな人。そんな人たちが遠くから来てくれるとうれしくなって、いつも以上に気合が入ります!」と話してくれます。
 もしも、まだ食べたことがなければ、ぜひマルティニークで食べてみてください。いままで以上に、フランス料理が好きになるはずです。
 マルティニーク
 品川区荏原3-3-25 2F
 03-6426-9159

 https://www.eatpia.com/restaurant/Martinique-MusashiKoyama-French




グルメ


この記事をシェアする

LATEST POSTS