ロイヤルパークホテルの開業30周年を盛り上げる「アンバサダー」のスタッフが、地元の粋な街、日本橋を心を込めてガイドする短期連載。第5回は「日本料理 源氏香」のサービスを担当する大平信子さんが仕事着の和服から普段着に着替えて訪れる、お気に入りのフランス菓子専門店「オクシタニアル東京本店」をご紹介します。
伝統にとどまらない独創性
安産祈願で有名な水天宮(日本橋蛎殻町)と道を挟んで向かいに、柔らかな日差しのような黄色と白壁という瀟洒(しょうしゃ)な外装が印象的なお店があります。13~16世紀の南フランスに存在した地名(オクシタニア)をアレンジし、店名としたオクシタニアル東京本店です。
懐かしさや安らぎをテーマとする内外装と対照的に、ショーケースには深紅やオリーブ色、ピンクなど華やかなケーキと焼き菓子が並んでいました。大平さんは「最初は、街並みと異なる雰囲気に入るのをためらったのですが、足を踏み入れると宝石のようにきれいなお菓子ばかりでうれしくなりました」と声を弾ませます。
同店はバウムクーヘンが有名な洋菓子店「クラブハリエ」が手がけ、日本の人間国宝にも例えられる「フランス国家最高職人(MOF)」の称号を持つパティシエ、ステファン・トレアン氏が監修。神谷町にあった店舗が一時休業を経て、2014年に現在の地に移転し、オープンしました。いまでは近隣で働く人や地元住民、水天宮の参拝帰りなど開店から客が引きも切りません。
代表的なお菓子がトレアン氏のレシピでつくるマカロン。ほかのお店よりも一回り大きい生地のサクッとした軽やかな食感と、口どけのよいクリームの甘さが絶品です。ピスタチオ味など定番9種に加え、「さくら」「あまおう」といった季節に合わせた月替わり1種の計10種を用意し、スイーツ好きのみならず、多くの人を魅了しています。
ただ、ラインアップは、マカロンのような伝統菓子の範疇(はんちゅう)に収まりません。米国を拠点とするトレアン氏に代わって腕をふるう中山和大シェフは世界コンクール出場経験もある実力者として、「MOFの称号に値するお店という意識を保ちつつ、ほかにはない個性を忘れたくない」と意欲的です。
実際、エメラルドのような緑色の新作ケーキ「ルシア」は、オリーブオイルとグレープフルーツのムースでつくった独創的な逸品です。大平さんは一口食べると、「初めて食べるおいしさ!オリーブの香りは豊かさと、グレープフルーツの爽やかな苦味が絶妙です」と驚きの声を上げました。つねにお菓子作りのアンテナを張る中山シェフは、街中の景色から造形のヒントを得るなど「創作意欲がかきたてられ、新作に取り組むのが楽しい」と笑みをこぼします。
中山シェフ(右)に、大平さんがお菓子作りの発想を尋ねると、「路上のマンホールに描かれた花を参考にすることもあります」と意外な答えが(上)、シェフの思い入れが詰まった新作ケーキ「ルシア」(下左)と10種類がそろう大ぶりなマカロン(下右)
オクシタニアル東京本店(中央区日本橋蛎殻町1-39-7)
営業時間:10:00~19:00
定休日:1月1日
TEL 03-5645-3334
[きょうのアンバサダー]
大平信子さん
源氏香では和服に身を包み、落ち着いた雰囲気ですが、アンバサダーとして「笑顔と元気で、ロイヤルパークホテルの良さを改めてお伝えしてまいります」と話します。
30周年記念特設ページ(https://www.rph.co.jp/30th/)
ゴールデンウィーク 鉄板焼ランチブッフェ
ロイヤルパークホテル(中央区日本橋蛎殻町2-1-1)は4月27日(土)~5月6日(月・休)のゴールデンウィーク期間中、20階「鉄板焼すみだ」はでランチブッフェを開催します。ステーキやシーフードに加え、フォアグラや焼き寿司という限定メニューをシェフが目の前で焼き上げます。
提供時間:11:30~、13:30~(いずれも90分制)
料金:1人7218円、4~12歳4158円、65歳以上5940円