2023年、みなさんはどんな年明けを迎えましたか?最近、すっかり時間の流れが早くて、あっという間にお正月、そして気づいたらもうバレンタイン!時間の流れがますます早まっているように思えてなりません。
そんな折、目についたのは #Y3Kというハッシュタグ。え、ちょっと待って。ついこの間までY2Kだったじゃん。このコラムでも取り上げたY2Kブーム。こちらは今年もまだまだ続く勢いです。その一方で出てきたキーワード “Y3K”はYear 3000、つまり西暦3000年、ってことです。未来も未来。AIが人間の知能を追い越すと言われるシンギュラリティの年、2045年をも超えて、いまや注目は3000年のファッション&メイクなのです。つまり超未来系ってこと。メタバースやアバター、VRなど仮想空間の世界が当たり前に存在するようになったいま、仮想と現実の境界がなくなってきているということです。
いちばんわかりやすい例は、韓国のガールズクラッシュ系グループの「aespa(エスパ)」のスタイルです。aespaはそのデビュー時からメタバース連動だったのも特徴。YouTubeでMVを見るとわかりやすいのですが、それぞれのメンバーがアバターとともにデビューしています。ファッションもヘソ出しのクロップドトップスにスーパーミニ、厚底ブーツとY2Kにかなり近いアイテムですが、圧倒的に未来感が強めなのです。
ファッションブランドでもこのY3Kなスタイルが登場しています。フューチャリスティックなラメアイテムとか、 ボディコンシャスなアイテムもその一例。色使いも“水色界隈”と言われるメタリックブルーや、サブカル味が強めなアイシーブルーが人気です。
さらに特徴的なのはメイクです。すでに中国や韓国でははやりだしていますが、ポイントはメタリックやグリッター&ラメのアイシャドウ、大胆なキャットアイライン、カラコンはブルー一択で、目元にラインストーンをつけたりと、アバター感が強めです。リップも青みの入ったピンク系の艶グロス。久しぶりにブルーラメのアイシャドウや、青みピンクリップも取り入れられています。50代よりアッパーの方々にはかなり懐かしい色使いですが、その仕上がりは想像以上に未来的なのでマネはおすすめできません。あくまでもこれはZ世代のトレンドなのです。
加えて、私が毎年審査員を務めている「アバターアワード」では、最近のファッショントレンドは立体的な3D表現ではなく、2次元系です。VRoid Studioといった3Dソフトはすごい勢いでアップデートしている一方で、メタバースの世界では2次元系が人気というのは興味深い現象です。
むしろ、いまは現実世界のほうがメタバース寄りになっているのでは? このところ話題の「AIアバター」も、まさに自分自身がバーチャルになりきれちゃうというもの。リアルファッションをメタバースに置き換えていくのがこれまでのバーチャルファッションでしたが、もうすでに、メタバースからリアルファッションが影響を受ける、 そんな逆転現象も起きている2023年。シンギュラリティはもうすぐそこ、なのかもしれませんね。
THIS MONTH'S CODE
#aespa
2020年に、SMエンターテインメントからデビューした4人組ガールズグループ。韓国出身2名、日本出身1名、中国出身1名で構成されている。デビュー曲「Black Mamba」のMVにはその世界観が詰まっている。
#50代よりアッパーの方々にはかなり懐かしい
1980年代後半以降、バブル時代に流行したメイクアップの組み合わせ。リップでは《クリスチャン・ディオール》の475番が爆発的に売れた。
#VRoid Studio
ピクシブが手がける3Dキャラクター制作ソフト。