《銀座》南インドの伝統料理とアーユルヴェーダ体験記(前編)


メトロポリターナ編集部が、東京メトロ沿線で見つけたいろいろなことを気ままにご紹介。旅行好きの編集部スタッフが偏愛する国を紹介しつつ、メトロ沿線で体験できる本場のスポットをナビゲート!

 

銀座/エクスパンスSPA 銀座中央通り店

まとまったお休みがとれると、美味しいものを求めて旅することが多い、渡邉です。グルメ旅も、しばらくは夢のような話ですが、編集部・関根の「アラブの伝統を感じる美食を、西荻窪から モロッコ編」に続いて、今回は、渡邉のディープな旅の思い出話とともに、日本で味わえる異国の体験や本格グルメをご紹介したいと思います。

去年末、私は生まれてはじめてインドへ行ってきました。行き先は、南インドのケララ州。旅の目的は、本場のインドカレーが食べたかったから(笑)。でも、それだけではありません。本場のアーユルヴェーダを体験したいという夢を叶えてきました。

「アーユルヴェーダって何?」という人もいるかと思うので、まずはアーユルヴェーダの魅力と旅の体験記をお届けします。

 

歴史ある伝統医学・アーユルヴェーダ

アーユルヴェーダとは、南インド・スリランカ発祥の世界最古の伝統医学のこと。健康を増進させるセラピーや、病を予防する知恵といった、よりよいライフスタイルを目指す、いわば“生き方のヒント”が詰まった学問です。その発祥地とされている南インドには、街中にアーユルヴェーダの診療所があたりまえのようにあり、人々の暮らしを支える大事な知恵となっています。

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ドクターやセラピストが、さまざまなセラピーを提供するアーユルヴェーダセンターの様子

 

伝統が発祥した地にある世界初のリゾートへ

そんなアーユルヴェーダを体験すべく、私が向かったのはコバラムという街。行き方は、成田空港からムンバイを経由してトリヴァンドラム空港まで、トランジットも合わせて計28時間ほど。トリヴァンドラム空港からは、タクシーで約45分走った先に、目的のアーユルヴェーダ施設はありました。その名も、「Somatheeram Ayurveda Village(ソマティーラム アーユルヴェーダ ヴィレッジ)」です。

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コバラムにあるビーチは観光地としてもにぎわう
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Somatheeram Ayurveda Villageのヴィラタイプの客室

海と山の境に佇む、自然に恵まれた広大な敷地は、名前の通り“村レベル”の広さ! とはいえ、滞在中のほとんどをその施設内で過ごすので、せわしなく移動する旅とはまた違う、癒やしの時間を過ごすことできました。

周辺の施設には、日本と同じようにマッサージ感覚でアーユルヴェーダを受けられるサロンもあれば、こぢんまりとした診療所や、リゾートホテルのような大型施設まで、さまざまなアーユルヴェーダ施設が存在しています。私は、はじめての海外一人旅だったので、出発前に現地の事情に詳しい知人におすすめを聞いて、滞在する施設を選びました。

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施設内にあるアーユルヴェーダセンター(ホスピタル&サロン)

 

ドクターの問診と神秘的なセラピー

専門医師が体質を診断して、体質ごとに合う生活習慣をアドバイスしてくれたり、医師が処方するハーブペーストやオイルで体をマッサージしていくというのが、アーユルヴェーダの基本のセラピーです。詳しい人の話によると、皮膚から薬効のあるオイルなどを染み込ませることで、偏った体の体質(バランス)を整えていく効果や、美容効果に期待ができるのだそう。

いまは日本でもアーユルヴェーダのセラピーが受けられるサロンが多くあり、これまで何度も体験したことがあるのですが、日本のアーユルヴェーダと明らかに違うのは、専門のドクターが問診してくれることと、施術環境にありました。施術部屋には、電灯は一切なく、灯りといえばロウソク1本だけ。体を横たわらせる部分が凹んでいる木のベッドと、セラピストが使う桶が置いてあるだけのミニマムな部屋です。

ドクターによる問診を受けたあと、施術部屋に移動し、紙パンツ1枚になると、いよいよ施術がスタートします。ドクターの指示通りに、セラピストがオイルやハーブペーストを調合し、マントラ(おまじない)を唱えながら、その調合した液体を頭から全身に塗っていきます。聞いたところによると、そのマントラは、“アーユルヴェーダの神様”と呼ばれる、「神様の医師的存在」にささげられる言葉(サンスクリット語)なのだそう。さすが、歴史の古い国インドです!

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Somatheeram Ayurveda Village アーユルヴェーダセンターのドクター

さらに、面白いことがもうひとつ。セラピストによるマッサージは、頭や胴体など1つしかない部位は1人のセラピストが。腕や足など、2つの部位は2人がかりで左右対称に行われるのです。やさしく体をなでているだけのようなマッサージですが、自然と心地よく、いつの間にか寝てしまうような、至福の時間でした。

体のデトックスのためには7日間以上の滞在が推奨されていたのですが、私は5日間の滞在で、体の不調や悩みなどを医師に相談しながら、ヨガや瞑想をしたり、自分の体質に合わせたプログラムに従って、滞在を終えました。セラピーを終えてから目に見えて実感できたことは、肌の透明感がアップして、キメが細かくなったこと。むくみが取れたり、おなかの調子がよくなったこと、などなど。どれもうれしい効果ばかりでした!

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セラピー後の水分補給には、ココナッツウォーターを提供してくれます

ちなみにこの施設。あとで知ったのですが、州政府が認めるもっとも優良なアーユルヴェーダ施設に与えられる称号「GREEN LEAF」認証を取得しているそうです。アーユルヴェーダを現地で体験したみたいという人は、再びインドへ行けるようになったときの参考にしてみてくださいね!

とはいえ、まずは国内で試してみたいという人もいるはず。国内でも、本格的なアーユルヴェーダを提供しているサロンのなかでも、現地さながらの技術にこだわるおすすめのサロンをご紹介したいと思います。

 

ケララ州の本場の施術を体感できるのが、こちらのサロン。現地から輸入した薬草ハーブを使用しているだけでなく、現地のアーユルヴェーダの専門医から技術を得たセラピストが対応してくれるので、本格的なアーユルヴェーダのカウンセリングと施術を受けることができます。

メニューは、全身のオイルマッサージ「アヴィアンガ」や、額にオイルをたらして頭皮をマッサージしてくれる「シロダーラ」など、アーユルヴェーダの代表的なセラピーが充実しているので、気軽に本格アーユルヴェーダを体感できるところが魅力。また、食生活や性格、肌タイプから髪質まで、こと細かなカウンセリングから導き出されるアーユルヴェーダの体質診断は、とても面白い発見がありますよ!

少しでも興味のある人は、ぜひこちらで本格的なアーユルヴェーダを体感してみてください。


EXPANSE..SPA GINZA CHUODORI TEN

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渡邉絵梨(わたなべ えり)
メトロポリターナ編集部員。旅と散歩と美食が大好物。趣味は、カレーとプリンの食べ歩き。エシカルやサステナビリティへの関心が高い。


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