《高田馬場》東京ミニシアターダイアリー vol.5


東京メトロ沿線で見つけたことを、編集部が気ままに紹介する「気ままにメトロポリターナ」。映画好きの関根が、ミニシアターの魅力をお届けする「東京ミニシアターダイアリー」第5回は、創業以来70年にわたって愛され続ける映画館をご紹介。こちらには、2本立て上映ならではの映画体験の楽しさがありました。
 

高田馬場/早稲田松竹

みなさん、突然ですが「2本立て上映」で映画を見たことはありますか? 2本立て上映とは、1スクリーンで2本の作品を交互に上映する上映方法のこと。各回ごとのお客さんの入れ替えがないため、1枚のチケットで2本の映画を観賞することができます。1951年に開館した「早稲田松竹」は、そんな2本立て上映で映画を届けている、東京では数少ない映画館のひとつ。今回は、「早稲田松竹」で体験できる、2本立て上映の魅力をたっぷりとご紹介します!

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今後の上映作品のポスターが貼られたボード

「早稲田松竹」では、一人の監督による2作品を上映することもあれば、意外な組み合わせの2本を上映することもあります。プログラム担当の直井梓さんは、作品同士の出合いを楽しんでもらえる2本を意識して選んでいるそうです。なかでも直井さんが手応えを感じたのは、2012年に上映した『桐島、部活やめるってよ』と『サニー 永遠の仲間たち』。「歴史に残る人気ぶりだったのが、制作国が異なるこの2本立てでした。組み合わせることで生まれるおもしろさが、単体ではありえないくらいの反響へとつながったのだと思います」。

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「早稲田松竹」がオリジナルで制作しているチラシ

先日、私が「早稲田松竹」で見たのは、ディアオ・イーナン監督作品『鵞鳥湖の夜』と『薄氷の殺人』の2本立て上映。『鵞鳥湖の夜』を目当てに行きましたが、2作品を見ることで、この監督が描く世界観の虜になりました。バイオレンスシーンにもどこか品が感じられる点や、ストーリーとギャップのある独特なエンディングソングには、見る者を引きつける魅力が感じられます。お目当ての作品を見に映画館へ足を運ぶ人が多いかと思いますが、意外な作品との出合いも、2本立て上映の醍醐味です。

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自由に持ち帰ることができる、上映作品やその関連のチラシ

「早稲田松竹」のこれからについて、支配人の平野大介さんに聞きました。「長いあいだここで愛されてきた2本立て上映を、これからも変わらず続けていきたい。日々新しいものを取り入れながら、これまで以上のおもしろい映画体験を、みなさまに届けていきたいです」。1本だけの鑑賞では味わえない新た映画体験の楽しさが、2本立て上映なら体感できるはず。ぜひ「早稲田松竹」で、2作品のマリアージュを楽しんでみてくださいね。


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WASEDA SHOCHIKU

 

新宿区高田馬場1-5-16
[TEL]03-3200-8968
[休]無休
http://wasedashochiku.co.jp
※営業時間や上映作品などは、公式サイトでご確認ください


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