photo: Naoyuki Obayashi styling: Setsuko Todoroki (setluck) hair&make-up: Yuko Chiba text: Eri Watanabe (EATer) 衣装協力:ハウス オブ ロータス(ハウス オブ ロータス 青山店)、Nakamura Nazuki

美村里江《プロフェッショナルの肖像「PRO-FILE」》


エッセーで新しい自分に出合う

 人間関係や約束の大切さを再認識することをコンセプトとする「約束(プロミス)エッセー大賞」。今年度25回目の開催を迎えるこのコンテストで、昨年に続いて審査員を務めるのが、女優・エッセイストの美村里江。エッセーを身近なものとしてきた彼女だが、普段はどんなときにエッセーを書いているのだろうか。

 「毎日忙しく過ごしていると、自分自身の感情を見逃してしまいがちです。そんなとき、エッセーは自分の気持ちと向き合いやすくしてくれます。たとえば、小さい頃のことを書いたりすると『そうだ、私はこういうことが好きだったんだ』と思い出して、自分を再発見できたりするんです」

 女優とエッセイスト。2つの顔を持つ彼女だが、書くことは、演じる仕事にもプラスの作用があるという。

 「お芝居は、監督や演出家など、誰かの要望に応える仕事です。それに対してエッセーは、自分の世界や思い出を、ひとりで文章にして構築する作業。書くことで発散されたり、充足感を得られる時間が、自分にとって欠かせないものになっています。私には、両方があってちょうどいい感じです」美村にとって、なくてはならないものとなっているエッセー。最後に、今年度のエッセーコンテストに応募する人に向けてのメッセージを。

 「今年は誰もが、大切な人との距離や、忘れられない瞬間を思い出して、心に染みることがあったのではないでしょうか。そういったことを文章で振り返って向き合うことは、新しい自分に気づける機会になりますし、素敵な体験ができるかもしれません。少しでも興味がある方は、ぜひチャレンジしてみてください。皆さんのエッセーが読める日を、心から楽しみにしています」

 エッセーの応募締め切りは、来年1月13日(水)。 新たな年を迎えるにあたり、自分と向き合ってみてはいかがだろうか。

 

みむら りえ

1984年6月15日、埼玉県生まれ。2003年、ドラマ『ビギナー』で女優デビュー。テレビ、映画、舞台、CMなどで幅広く活躍を続けている。 読書家としても知られ、エッセイや書評など複数のコラムを連載中。来年の出演作には、元日放送のドラマ『大岡越前スペシャル』、NHK大河ドラマ『青天を衝け』がある。


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歌集 『たん・たんか・たん――美村里江歌集』

著者:美村里江
価格:1800円
四六判並製/192ページ
刊行:青土社


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