コロナ禍の環境変化がストレスとなって、月経前の感情の揺れ動きに影響することも。その時期に精神的不調があれば、医師に相談を!
Q1.PMDDってどんな病気?
月経前に精神的・身体的な不調を伴うPMS(月経前症候群)は、月経のある女性のおよそ80%が経験するもの。PMDD(月経前不快気分障害)とはPMSの中でも精神的な症状が重く、月経のある女性のおよそ5%にみられます。月経前にイライラしたり憂鬱になったり、感情が不安定になってコントロールできず、自分は二重人格なのではないかと人知れず悩む人も。PMSと同様に、月経とともに症状が治まるのが特徴です。20代後半から30代に多いといわれています。
Q2.診断基準はあるの?
PMDDはうつ病と同列の精神的症状で、診断基準が明確に定められています。「突然悲しくなり、人に拒絶されることに過敏になる」「持続して怒りやすくなり、人と衝突することが増える」 「いつもより不安・緊張・いらだちを感じやすくなる」 「仕事・趣味など日常の活動に興味を持てなくなる」 「集中しにくい」 「食欲増進」 「過眠または不眠」 「乳房の腫れ・頭痛・関節痛がある」などの項目があり、5つ以上当てはまるとPMDDと診断されます。
Q3.PMDDになる原因とは?
PMDDは、月経周期でエストロゲン(女性ホルモン)が減る時期に発症するため、エストロゲンの減少と、それとともに精神を安定させる働きがあるセロトニンや、セロトニンの前駆物質であるトリプトファンが減少することが、精神面にマイナスに働きます。さらに、幼少期に両親が不仲だったり、兄弟間で差別されたりといったつらい経験や、生まれつき感受性の強いハイリー・センシティブ・パーソン(HSP)であることが加わると、発症しやすくなると考えられます。
Q4.なに科を受診すればいい?
婦人科や精神科、PMDD専門外来で受診してもいいでしょう。婦人科では主に低用量経口避妊薬(OC・LEP)が処方されますが、これはどちらかというと身体的な症状を改善するものです。精神科では主にSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)などがを処方されます。1カ月のうち10日間ほど症状のある時期だけ服用すれば、改善がみられる場合があります。
Q5.日常的にできる改善・予防方法は?
まず月経前の症状を記録し、自分のリズムを自覚すること。規則正しく健康的な生活を心がけるとともに、マグネシウム、カルシウム、マルチビタミンなどの摂取も役立ちます。とくにセロトニンと関連するビタミンB6(ピリドキサミン)がおすすめです。人の話は話半分に聞き、自分の時間を大切にして1日30分はカフェでゆっくりするなど、上手に気分転換を。PMDDは治療すれば想像以上に楽になるので、気軽に受診してみてください。
監修:大坪天平先生
東京女子医科大学附属足立医療センター
精神科 教授・部長
https://twmu-amc.jp